認知症について
こんにちは。三島市、友デンタルクリニック勤務医の伊東です。
つい先日、昭和の歴史を彩った大女優のひとり、朝丘雪路さんがお亡くなりになられました。私は、年齢的に朝丘雪路さんの女優としてのご活躍をそこまで詳しくは存じ上げないのですが、時折バラエティー番組でお見かけする、穏やかで上品でいながら、どこか天然で可愛らしいお姿に、とてもステキな方だなと思っておりました。
その朝丘雪路さんが晩年患っていらしたのが、アルツハイマー型認知症だと伺いました。今日は、お子様のお口の中のお話は一旦お休みさせていただき、アルツハイマー型認知症と歯周病との関連について簡単にお話したいと思います。
アルツハイマー型認知症とは、緩徐に進行する記憶障害を主な症状とした病気なのですが、アルツハイマー型認知症の方の脳では炎症反応が亢進しており、これが病態形成に非常に重要だと言われています。色々と専門的な難しいお話はここでは省略しますが、簡単に言いますと、歯周病の原因となっている細菌が、直接的あるいは間接的に、この脳の炎症反応に関わっているというのです。細菌が作る毒素が血液を介して脳へ回ったり、また、なんと細菌そのものが脳へ移動して炎症反応を進めてしまうといいます。その証拠にアルツハイマー型認知症の方の脳から、健康な人には見られないはずの、歯周病に関連する細菌が実際に検出されたそうです。
歯周病細菌が関わる炎症反応だけで、アルツハイマー型認知症が発症するというわけではないようですが、関連があることは間違いなく、また認知症の症状を悪化させてしまう因子のひとつであることは確かなようです。歯周病細菌による炎症反応は、認知症の発症時期を早め、記憶障害を増悪させてしまい、また病気の進行そのものを早めてしまうようです。
歯周病と全身の病気との関わりが指摘され始めてから、歯周病に関心を持つ方も少しずつ増えてきたようにも思います。しかし、アメリカなどの歯科先進国に比べると日本人の意識はまだまだ低いとも言われています。
歯周病は初期段階は特に自分で気づくのは難しい病気です。最近歯を磨くと血がでるな、という方は案外多いのではないでしょうか?勿論それだけで歯周病だと決めつけることはできませんが、出血は歯茎の炎症のサインのひとつです。歯科医院での定期的なチェックによる早期発見早期治療が大切です。
もしかして歯周病かな?と思われる方も、そうでない方も一度是非チェックにいらしてください。お待ちしております。
最後になりましたが、朝丘雪路さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。



