食事中の咬む音について
三島駅南口、友デンタルクリニック・浅井です。
少し前に患者さんから食事中の咬む音の大きさについての質問を受けました。その患者さんは、人から音が大きいとの指摘を受けたそうです。
上下顎の歯の位置関係が正常でなくなった状態を咬合異常といい、歯並びや咬み合わせ、下顎の動き、そしてお口を構成する組織の異常を原因として起こります。その咬合異常を調べる検査の一つに、咬み合わせの音を検出して判断する方法があります。耳で咬む音を聞き分けることも可能ですが、専用の装置も開発されています。デンタルサウンドチェッカーと呼ばれる装置で、目の下や頬骨のあたりにマイクを付けて、咬みあったときに出る音を検出して表示します。咬み合わせが正常で安定している場合には、短く、高く、澄んだ音が検出されます。一方、咬み合わせが不安定な咬合異常の場合には、長く、低く、濁った音が検出されます。
つまり、食事の時の咬む音が出ることが異常ではなく、大きな音が出るのは咬合力が強いからです。咬んだ時に発生する音は、空気よりも骨で伝わる振動のほうがはっきりと耳に伝わりますが、日常発生している音は気にならないことが多いようです。問題なのは発生する音の質にあります。「コンコン」と聞こえる、短く、高く澄んだ音であれば、まず問題ありません。歯が揺れることなく、力強く咬めていなければいい音は出ません。
気になる症状がある場合はいつでもご相談ください。